Moonless Moonshine

私的メモ

書評『神と革命: ロシア革命の知られざる真実 (筑摩選書)』

 ロシア革命の背後には、古儀式派と呼ばれるロシア正教の異端派が深く関わっていた、ということが示しているのが当書となります。この本ではソビエト(評議会)発祥の地にして、古儀式派の一大拠点であるイワノボを中心としてソビエト誕生から終焉までのソ連史が描かれていきます。

 ソビエトというものが、この教会を持つことを禁じられた古儀式派が形成したネットワークだったのではないかというという問題提起は大変興味深い。ただ、こうした視点での研究は最近になって進んできたらしいので、知らないことも非常に多かった。そのせいで、見覚えのない人名、派閥などが出てきて理解するのにはとても時間がかかりそうだ。

 東京新聞の下記の記事に著者のインタビューがある。この記事を読んでから当書を読んでみるのがいいのかもしれない。

 

歴史を動かした異端派、ロシア革命100年 青木睦・論説委員が聞く東京新聞 TOKYO Web